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【実際に見てきました】板橋区の子どもショートステイ協力家庭の様子と思い 〜南雲由子さん〜ver1

【実際に見てきました】板橋区の子どもショートステイ協力家庭の様子と思い 〜南雲由子さん〜ver1

今回は板橋区議会議員で、ご自身もショートステイの利用経験のある、

南雲由子さんにお話を伺いました。

板橋区では2021年に子どもショートステイ(協力家庭)事業が始まり、2022年からは児童相談所機能も持つ「子ども家庭総合支援センター」で予約ができるようになっています。

また南雲さん自身も現在5歳になるお子さんを育てておられ、まさに現役母親世代の代表として区議会議員をされています。

 

今回は実際に体験されたからこそ分かるショートステイ協力家庭の登録の流れや、実際に使った方に関わる中で感じた思いなどを伺いました。

 *今回の記事は、個人が特定されないよう若干の情報を変えて記載しています*

1.どういう経緯で、初回の登録に行きましたか?

私は子どもショートステイの協力家庭(預け先の家庭)には、

ご相談を頂いた区内ママと一緒に行きました。一人だとなかなか登録に行きにくいというお話だったので付き添った形です。

最終的に3家庭の登録に行き、私自身も近隣の協力家庭1家庭には利用登録をしました。

補足:

板橋区は約57万人の人口が住んでおり、ショートステイを利用すると想定される10歳以下のお子さんの人数は4万3千人です。(*1)

現時点では板橋区内で、6家庭が登録されているようです。

(2022年11月時点)

2.一般的なショートステイ協力家庭の登録の仕方

ショートステイ協力家庭を利用する際には、いわゆる

①「こども家庭支援センター」という市区町村の子育て支援部門に電話で問い合わせし、ご家庭とマッチングしたのちに、

②一度ご自宅を訪問し簡単な顔合わせをする、という自治体が一般的です。

3.実際に、登録されるご家庭に行かれて、どんな印象でしたか?

行く前は、勝手に「ちょっと大きめの一軒家で『おじいちゃんおばあちゃん』のような年配の方が登録されている」イメージでした

でも実際行ったご家庭は、団地やマンションの一室で、驚きました。

例えばとあるご家庭はお子さんが10代後半で、小動物を飼っていました。同世代というか、ちょっと(自分の子どもより)大きいお子さんの先輩ママが出てきてくれて、身近に感じました。

4.どんな人が預かってくれるの?

板橋区の場合は、

医師、保健師、看護師、助産師、幼稚園教諭もしくは保育士、もしくは養育家庭、フレンドホーム、子育て支援員養成講座の終了した家庭、

などが認められています。(*2)

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私も最初は意外でしたが、0才児を受け入れたり、3,4歳の色々体を使って遊んでほしい年齢の受け入れたりもしてくれる、体力のある40−60歳代の方の登録が多いイメージです。

5.面談の様子はどんな感じでしたか?時間は?

一部屋、客間のような、子どもを遊ばせておける部屋があるお家で、そこにおもちゃがいっぱいありました。

面談は、私と息子と、その預けたいママと、そのお子さんの4人で行って、子どもたちは(見守っているので)好きに遊んでいいよと言われたので、子ども同士で遊んでいて。

最終的には1時間ぐらい話していた気がします。

利用登録の紙を書いたり、当日の持ち物の話もして。それから世間話で、もう少し突っ込んだ子育ての悩み相談も聞いてくれました。

何かを聞かれるとか、なぜ預ける?等は聞かれなくて。

保護者の方がむしろ主体的にわーーと話して、(心の内を吐き出して)すっきりするような感じでした。

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その人は、先輩ママみたいな感じでしたよ。

今までにもいろんなご家庭を受け入れておられるようで、(保護者側の大変さとか辛さも)知ってらっしゃる方だから、聞いてくれたのかなと思います。

 

子ども達はその間ずっと部屋で遊んでいて。終わったから声をかけると、「帰りたくない!」と言ってるけど、(用事は済んだので)帰るよ!って声をかける感じでした。(笑)

ママ友に子どもを預けに来た、というぐらいの感覚でした。

RACでもトライアルで子ども預かりをした際にも。

 

やはり「例えば、すごく綺麗な一軒家のお家のご家庭に、自分の子どもをお願いする」というには心のハードルが高いよね、という話になりました。

 

完璧じゃない、心の余裕がない自分が駄目なのかな、と思いそうだなと。

でもこのおうちのように子ども自身が楽しいと思える場所であったり、年令や性別にもよりますが子育て中の方が受け入れ側で、子どもさんとも遊べるのは、個人的にはお願いしやすいご家庭だなと思いました。

実際に、早速、登録の次の週から(!)利用を開始したとのことでした。

6.南雲さんと一緒に考える。

ファミサポはその調整の難しさもありますよね。

(具体的には)1時間だと(体も心も)休まないってのもありますよね。

私(RACの千葉)が知っているケースでは、夜勤の仕事がある方でショートステイを定期的に使われていました。

おじいちゃんおばあちゃんに預けると、ずっとだと双方に体力的に辛い、喧嘩になってしまう、ということで使ってる方です。

仕事以外で頼むのがやっぱり難しいので、ショートステイの家庭から定期的に使ったらどうですか?と協力家庭さんから提案して、利用されていました。

シングルのご家庭で、仕事、家族の病気、介護、それに加えて子育てでのしんどさが入ってくると…なかなか一息ついて、自分を大事にして、かつ家族を大事にするためのスケジュールを立てる事はできないなと感じます。

私も生活のいろんな問題がこんがらがってる場合には、そういうのがいいなと思います

例えば(シングルでお母さんのみが子育てをしている場合に、母親が仕事や子どもの学校行事、その他)すべてをマネジメントしないといけないんだけれども、それが難しい方もいますよね。

とあるママには「例えば第3金曜日はショートステイにするとかはどうですか?」と提案しました。

そのとおりで、ファミサポは細かく短時間でお願いできることがメリットなのですが、ゆっくり体を休めて(保護者の体も心も)回復を目的にするときに使いづらいときがあります。

(モラハラとか家族内のトラブルで)お母さん自身に、エネルギーがなくなった状態みたいな時に。

一旦離れて離れて誰かにそっと見てもらいつつ、次のことを考えるまでの時間を作る時間を取りたいって言う(ニーズは)ありますよね。

 

一週間あれば割と次のことは考えられるかなという気がしてます。一週間あれば。

7.年間の利用日数の制限について

板橋区でも年間の利用制限があり、1年間に14日以内です。

板橋区だと児童養護施設に預けられるショートステイ事業と併用ができるようで、それぞれ14日間のようでした。

ここに関しては、制限時間のないファミサポとは大きな違いになってくるかなと思います。

8.場所や子ども同士の相性を考えましたか?複数箇所の協力家庭に、登録に行った理由について

受け入れ側の家庭に高校生の男子がいるから小学生以上の女の子は難しい、とマッチングしなかったケースもありました。予定が合わないこともあるので、合計3家庭に登録しました。

そのママは、結果的に、まつば園の(施設での)ショートステイと3つの協力家庭を使い分けています。

現実的には、協力家庭もお子さんの性別や年齢、預かるお子さんとの相性もありますよね。

そこの塩梅や、スケジュール的に一箇所のお家にずっとお願いすると歪みが出てくることもあるため、頻繁に頼むのであれば、頼む先は複数箇所あればいいなと思っています。

 

協力家庭にずっとは頼みにくくても、施設のショートステイだと仕事の中で受け入れなので、頼みやすいとか。いろんな側面があります。

とある方は、あと何日使えるか?ということを(必要以上に)考えすぎてしまう癖がありました。すごく忙しいのに今使っちゃったらもったいない、とお話されていて。

なので、まつば園との子どもショートステイ(板橋区の施設での子どもショートステイの名称)と組み合わせでやろうという話をしました。

 

(今後長期的には)例えば1か月先の予定を組むことができるようになればいいですよね、って話をしました。

ショートステイの利用体験後に、ファミサポを使ったりもしましたが、基本はショートステイが一番(その方にはマッチしていて)良かったかなと思います。

そう、あとは頼む方の相性や考え方、受け入れ側との考え方のマッチし具合でも変わります。

また、板橋区内であっても場所によってはかなりアクセスが不便になるので、子どもをいつもどおり学校へ行かせるためには近くがいいというニーズもあるでしょう。

子どもショートステイは小学校区や中学校区にそれぞれ1家庭を目標に!と登録イベントを行っている市区町村もあります。

 

板橋区では公立の中学校が合計22校あるので、もう少し増えていけばいいなと思っています。(*3)

ここまで、読んでいただきありがとうございました。

後半では、南雲さん自身が家出したくなった経験や、

ショートステイを使うまでのハードルについて話を伺っています。

【参考】

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